信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF トレーニングがもたらす骨格筋の腎保護作用

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.45 Vol.45

 要旨

 慢性腎臓病は深刻な健康課題であり,運動やトレーニングがその予防や治療として有効であるかの検証が十分に進んでいない.そこで今回,高脂肪食によって生じるアルブミン尿がトレッドミル運動によって減少するマウスモデルも用いて,腎組織のRNAシーケンスを行い,高脂肪食によって発現が亢進,運動をすることで逆に減少する遺伝子群として炎症反応やストレス応答に関連する遺伝子群を見出した.これにはケモカインをコードするCxcl2 も含まれており,その生理作用に着目して,腎臓組織内の好中球浸潤を免疫組織学的な評価を行った.しかし,高脂肪食や運動に伴う細胞浸潤の変化は認めなかった.今後さらに本研究の結果に基づいて,運動に伴う腎臓における受容機構を解明し,慢性腎臓病におけるトレーニング・運動の作用について基礎科学的な示唆を付与することを目指す.

 「デサントスポーツ科学」 第45巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 西 裕志, 南学正臣, 東原崇明, 小田原 幹
大学・機関名 東京大学医学部附属病院

キーワード

腎臓慢性腎臓病運動骨格筋マイオカイン