信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 膝関節伸展位固定を用いた運動連鎖の遮断による慢性足関節不安定症の新たな評価手法の開発

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.45 Vol.45

 要旨

 本研究は,膝関節の伸展位固定における片脚立位の姿勢制御戦略を観察し,股関節からコントロールされる姿勢制御にマスクされている,足関節に特化した慢性足関節不安定症(CAI) の病態を明らかにすることを目的とした.対象は男性バスケットボール選手で,足関節捻挫の既往歴を有さない健常群15名,CAIを発症した15名とした.対象者は両脚立位姿勢保持を10 秒間,その後片脚立位姿勢保持を20 秒間行い,健常群とCAI群の比較検証に加え,膝装具の着用による膝関節伸展位固定の有無による条件間の比較検証を行った.CAI群では膝関節の伸展位固定により,両脚立位から片脚立位への移乗時において足圧中心加速度が有意に高値を示した.CAI群は片脚立位での姿勢を維持するため,股関節と足関節の運動連鎖の寄与が大きかった可能性が高い.これまでのCAIの病理学的検査では確認が不可能であった,股関節戦略によってマスクされた足関節の機能障害が明らかになった.

 「デサントスポーツ科学」 第45巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 菊元孝則, 高林知也, 久保雅義
大学・機関名 新潟医療福祉大学

キーワード

慢性足関節不安定症足圧中心姿勢制御能力足関節戦略関節機能障害