信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 衣服と皮膚の接触に伴う皮膚振動に関する基礎研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.45 Vol.45

 要旨

 衣服着用時,ヒトの動作に伴い,衣服と皮膚の受動的な接触が生じる.本研究では先ず,上肢運動時の体幹部における衣服と皮膚の接触について,圧力測定フィルムにより検討し,顕著な接触部位として,頸部,肩先,肩甲骨を明らかにした.次に,肩甲骨突出部近傍で,皮膚振動計測の可能性を探り,皮膚と衣服の接触から生じる皮膚振動の振動強度と周波数中央値の検討により,接触部から2cmほど離れた部位を,適する計測部位として見出した.また,数種のスポーツウェア着用による皮膚振動計測から,非着用時に比しウェア着用時に振動強度が大となることを明らかにし,各試料の解析結果から一定の傾向を得た.着用感と皮膚振動の関係性は,衣服素材をなぞった際の能動的な接触とは異なるもので,着用時の衣服と皮膚の受動的な接触においては,衣服のゆとりや素材特性等,複合的な要因が,接触時の皮膚振動に影響する可能性が示された.

 「デサントスポーツ科学」 第45巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 佐藤真理子*1, 伊豆南緒美*1, 松井有子*1, 田中由浩*2
大学・機関名 *1 文化学園大学, *2 稲名盛古科屋学工研業究大機構学

キーワード

皮膚衣服接触皮膚振動振動強度