信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 骨格筋への電気刺激はどこまで運動の代替となるか? 応用可能性の検証

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.45 Vol.45

 要旨

 近年,骨格筋への電気刺激(EMS) が生体にもたらす効果が注目を集めており,運動の代替となることが期待されている.しかし,EMSが生体にもたらす効果についてはまだ十分に分かっていない.そこで本研究はEMSが骨格筋の肥大と筋機能,血管内皮機能,自律神経活動,認知機能にもたらす効果を検討することを目的とした.30名の実験参加者はEMSトレーニング群,抵抗性運動トレーニング群,コントロール群の3群に分けられた.トレーニング群は週に3回のトレーニングを8週間行った.そして,トレーニング前後で大腿四頭筋の筋横断面積,膝伸展トルク,血管内皮機能,自律神経活動,認知機能を評価した.EMSトレーニング群,抵抗性運動トレーニング群の両方で筋横断面積の増加がみられた.等尺性膝伸展トルクおよび血管内皮機能はEMSトレーニング群のみで向上がみられた.トレーニングにより自律神経活動と認知機能に変化はみられなかった.これらの結果は,骨格筋への電気刺激は筋肥大をもたらし,筋機能を向上させ,血管内皮機能を向上させる可能性があることを示唆している.

 「デサントスポーツ科学」 第45巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 安藤創一*1, 岡本孝信*2, 橋本佑斗*2
大学・機関名 *1 電気通信大学, *2 日本体育大学

キーワード

電気刺激骨格筋抵抗性運動血管内皮機能トレーニング