信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動前の食事摂取の違いが動脈スティフネスと有酸素性運動パフォーマンスに及ぼす影響
―植物性ベース食品と動物性ベース食品の比較―

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.44 Vol.44

 要旨

 本研究は運動前の植物性ベース食品と動物性ベース食品の摂取が動脈スティフネスと有酸素性運動パフォーマンスに及ぼす影響について検討した.11名の健康な若年成人男性(21歳~ 27歳)を対象に,タンパク質,脂質,炭水化物(PFC)のバランスを同様の比率で設定された植物性ベース食品(植物性条件)または動物性ベース食品(動物性条件)条件をそれぞれ別々の日に実施した.植物性または動物性条件において,食品摂取前および食品摂取120 分後に頸動脈-大腿動脈間脈波伝播速度(cfPWV),血圧および心拍数を測定した.全ての測定終了後,有酸素性運動パフォーマンスとして最大酸素摂取量を測定した.植物性条件では,食後にcfPWVが有意に減少した(p <0.05).しかし,動物性条件におけるcfPWVは,食前と食後で有意差が認められなかった.両条件において,食事前後で血圧および心拍数に有意差は認められなかった.最大酸素摂取量は,植物性条件において動物性条件と比較して有意に高値を示した(P<0.05).本研究の結果から,運動前の植物性ベースの食品摂取は動脈スティフネスを低下させ,最大酸素摂取量を向上させる可能性が示唆された.

 「デサントスポーツ科学」 第44巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 岡本孝信
大学・機関名 日本体育大学

キーワード

食事摂取脈波伝播速度最大酸素摂取量血圧心拍数