信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 深度センサを用いたScapular dyskinesis 検出手法の確立

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.44 Vol.44

 要旨

 肩関節障害を有する患者の肩甲骨運動の定量化は重要であるが,臨床現場で簡易的に定量化できるツールは現存しない.近年,深度センサは精度および価格の面から注目を集めている.そこで,本研究は,深度センサを用いた肩甲骨運動の定量化を図る予備的研究として,深度センサを用いた肩甲骨角度計測の信頼性の検討を目的に実施した.健常成人男性を対象に前方挙上および肩甲骨面挙上中の身体背面を深度センサで撮影し,深度センサの情報を用いて作成した点群データから二試行間の上・下方回旋,内・外旋,前・後傾の角度を算出し,相関係数及び標準誤差の検討を行った.結果,相関係数は,前方挙上・肩甲骨面挙上ともに良好な値を示した.また標準誤差は上・下方回旋角度を除いて両課題とも10 度未満であった.本研究の結果より,深度センサを用いた肩甲骨運動の定量化は,信頼性の観点からは良好と思われたが,精度向上と妥当性の検討が必要であった.

 「デサントスポーツ科学」 第44巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 井原拓哉*1, 安川洵*2, 辛嶋良介*3, 藤田浩二*1
大学・機関名 *1 東京医科歯科大学, *2 日本電気株式会社, *3 かわしまクリニック

キーワード

肩甲骨肩関節運動機能障害深度センサ信頼性