信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 日本外傷データバンクを用いたスポーツ関連外傷の疫学データの推移と予後関連因子に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.44 Vol.44

 要旨

 【背景】スポーツ関連外傷は,重大な疫学的問題である.本研究の目的は,本邦において,スポーツ関連外傷において小児と成人の違いなど疫学的特徴を評価し,予後関連因子を探索することである.【方法】日本外傷データバンク(JTDB)を用いて後方視的な解析を行った.2004 年から2018年に入院したスポーツ関連外傷を対象とした.ロジスティック回帰分析を行い,院内死亡と関連する因子を探索した.【結果】対象患者5,828例を同定し,2,429 例が小児,3,399 例が成人であった.年齢の中央値は21 歳で,83.8%が男性であった.小児で最も多い季節は4-6月(30.6%)であり,成人で最も多い季節は1-3月(37.5%)であった.院内死亡は1.2%で,多変量解析の結果,男性,頭頸部外傷,胸部外傷は院内死亡と有意に関連していた(aOR 4.11[95% CI 1.49-17.02],P=0.018;aOR 18.00[95% CI 10.06-33.92],P<0.001; aOR 4.18[95% CI 2.27-7.50],P<0.001).【結語】JTDB を用いてスポーツ外傷の疫学を分析した.男性,頭頸部外傷,胸部外傷は院内死亡と有意に関連していた.

 「デサントスポーツ科学」 第44巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 中尾俊一郎, 廣瀬智也, 中川雄公, 片山祐介, 北村哲久
大学・機関名 大阪大学

キーワード

スポーツ関連外傷疫学日本外傷データバンク死亡率-