信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 身体活動による骨格筋の形態学的変化は脳の健康増進に寄与するか?
:認知機能と情動の改善を目指した戦略の構築

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.44 Vol.44

 要旨

 本研究は,自発的な身体活動が骨格筋に及ぼす影響と情動の関係を検証した.本実験は,Wistar系ラットを用い,4 条件の飼育環境として,自発的な身体活動誘導環境モデル(遊具+ホイール群,ホイールのみ群,遊具のみ群),通常環境モデル)を作成した.30日間の飼育期間中,各個体における身体活動レベルを計測した.飼育期間終了後に,不安様行動,及び,後肢骨格筋の形態変化を検証した.その結果,身体活動レベルは,環境エンリッチメント(遊具+ホイール)条件群が有意に高い値を示した.一方で,ヒラメ筋における骨格筋量は,通常環境条件群と比較して全群において有意な増加を示した.また,不安様行動は,ホイールのみ群,及び遊具のみ群において通常環境群よりも有意な低下を示した.以上のことから,自発的な身体活動による不安様行動の改善は,身体活動レベルに依存するとは限らず,骨格筋の形態が関連している可能性が示唆された.

 「デサントスポーツ科学」 第44巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 須藤みず紀
大学・機関名 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所

キーワード

身体活動情動骨格筋環境エンリッチメント不安様行動