信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 若年成人における歩行および同等速度のジョギングによる座位行動ブレイクが食後血糖・脂質動態に及ぼす急性影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.44 Vol.44

 要旨

 本研究は,歩行および低速度ジョギング(ジョグ)による座位行動中断が,健常若年成人の食後血糖・脂質動態に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.22 ± 2 歳の男女14 名を対象に次の3 試験の食後180 分間の血中指標を観察した:オフィスチェア座位継続(対照試験),30分毎に3分間の6km/時の歩行およびジョグ.血中指標は肘静脈採血および持続血糖測定装置を用いて測定し,曲線下面積値(iAUC)にて評価した.グルコース値およびインスリン値のiAUCに有意な試験間差が認められ,歩行とジョグは対照試験に比して低値を示した.一方,トリグリセリド値iAUCは試験間差を認めなかった.ジョグにおける対照試験を基準としたインスリン値低減率は,最大酸素摂取量との間に有意な相関関係を認めた.歩行またはジョグによる座位行動の中断は,健常若年成人の食後血糖動態に好影響を及ぼすことが示唆された.ジョグによるインスリン抑制効果は全身持久力が低い者で大きい可能性がある.

 「デサントスポーツ科学」 第44巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 熊原秀晃*1, 阿具根美和*1, 綾部誠也*2, 一田木綿子*3, 加藤正樹*1
大学・機関名 *1 中村学園大学, *2 岡山県立大学, *3 中村学園大学栄養クリニック

キーワード

身体活動座位行動非運動性活動食後エネルギー代謝血糖値