信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 片側大腿切断者におけるランニング時の着地衝撃に関連する障害リスク評価

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.44 Vol.44

 要旨

 本研究の目的は,片側大腿切断者におけるランニング動作を対象に,Loading rate を様々な速度で算出し,着地に伴って生じる筋骨格障害リスクを定量的に評価することであった.被験者は片側大腿切断者14名および健常者10名を動員し,4 速度条件(30%, 40%, 50%, 60%)で,フォースプレート内蔵型トレッドミル上を走行させた.実験速度は,100 m走のベストタイムから算出された平均走速度を100%と定義し,これを基準に算出した.計測した鉛直地面反力から,健側肢,義足肢および健常者の脚におけるLoading rateを算出した.本研究の結果として,健側肢におけるLoadingrateは,全ての速度で義足肢および健常者の脚よりも有意に大きかった.また健側肢および義足肢におけるLoading rateは,走速度漸増に伴って増加する傾向にあった.以上より,片側大腿切断者の健側肢では着地に伴って生じる筋骨格障害リスクが大きいこと,速度漸増に伴って健側肢および義足肢における筋骨格障害リスクが増大することが示唆された.

 「デサントスポーツ科学」 第44巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 安間亮*1, 竹村裕*1, 保原浩明*2
大学・機関名 *1 東京理科大学, *2 産業技術総合研究所

キーワード

下肢切断者義足走動作地面反力トレッドミル