信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 暑熱環境下で防具を装着して運動をするアスリートに対する実践的な身体冷却方略の検証 -ラクロスに着目して-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.43 Vol.43

 要旨

 本研究では,暑熱環境下での防具を装着する男子ラクロスの試合を想定した間欠的自転車漕ぎ運動時における模擬ハーフタイム中のFANwet(濡れた皮膚に送風),アイススラリー摂取(ICE),およびFANwet + ICE の3 種類の身体冷却方略が,その後の体温や主観的指標に及ぼす影響を検証した.成人男性10 名を対象に,10 分間の仮想ハーフタイム(HT) 中に以下の4試行をランダムな順番で実施した:FANwet 条件,ICE条件,FANwet+ICE(MIX条件),冷飲料摂取(CON条件).FANwet 条件およびMIX条件において,HT以降の直腸温上昇の低下,皮膚温,温熱感覚,熱快適性,主観的運動強度の改善が認められた.しかし,MIX条件とFANwet 条件の間に差はなかった.これらの結果から,FANwet による身体冷却方略は,暑熱環境下における男子ラクロス試合時の有効な暑さ対策となる可能性が示唆された.しかしながら,アイススラリー摂取による身体冷却効果,およびFANwet とアイススラリー摂取を組み合わせることによる付加的な効果は認められなかった.

 「デサントスポーツ科学」 第43巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 刑部純平*1, 松本孝朗*2, 梅村義久*2, 近藤妃畝*3
大学・機関名 *1 中京大学大学院, *2 中京大学, *2 至学館大学

キーワード

ラクロス身体冷却蒸散性熱放散熱中症アイススラリー