信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF ランニング中に扁平足の足部内で生じる力学的負荷の解明

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.43 Vol.43

 要旨

 本研究は正常足と扁平足の足部アライメントの違いが,ランニング中の足関節およびショパール関節,リスフラン関節モーメントに与える影響を検証し,扁平足者に起因するランニング障害の発生機序を解明することを目的とした.対象は男性の正常足13 名,男性の扁平足13 名とした.正常足と扁平足の分類にはfoot posture indexを用いた.Rizzoli foot modelに基づき下腿・足部に反射マーカーを貼付し,ランニング中のマーカー位置と床反力,足圧データを用いて足関節およびショパール関節,リスフラン関節モーメントを算出した.結果として,ランニングスピードは正常足者と扁平足者で有意差を示さなかった.正常足者と比較して,扁平足者はリスフラン関節モーメントの底屈ピーク値が有意に高値を示した(p=0.03).足関節(p=0.42) およびショパール関節モーメント(p = 0.35) は群間で有意差は認めなかった.本研究結果は,扁平足者に起因するランニング障害の発生機序を説明するための基礎的データになり得る.

 「デサントスポーツ科学」 第43巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 高林知也, 江玉睦明, 久保雅義
大学・機関名 新潟医療福祉大学

キーワード

扁平足ランニング障害足関節ショパール関節リスフラン関節