信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 動作の完遂不能時のフィードフォワード制御修正の動態を抽出する新手法を使ってACL 損傷発生機序を探る

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.43 Vol.43

 要旨

 前十字靭帯( ACL) 損傷による神経制御異常が,着地動作における予測外事象発生時に筋のフィードフォワード(FF) 制御にどのような影響を与えるかは不明である.本研究では膝蓋腱部振動刺激にてACL損傷における神経制御異常モデルを健常被験者にて作成した.この異常モデルを用いることにより,実際の患者を用いた実験では実現することができないACL損傷による神経異常発生前後の変化を比較することができる.そして,FF制御の再構築時の実験条件を均一化できるSurprise Landing 課題を被験者に課することにより,神経制御異常の誘発前後での着地前筋活動の変化を調査した.その結果,神経制御異常の誘発にて,偽板通過後における前半部分の筋活動で内側広筋,大腿直筋が有意に大きくなった(p=0.014,0.04).後半部分ではすべての筋で有意差は見られなかった.これらの結果からACL損傷で発生する皮質脊髄路興奮性変化によって,予測外事象のFF制御では一部の筋の脊髄反射経路にて補完的に活動が高まると推測された

 「デサントスポーツ科学」 第43巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 小西優*1, 吉井諒*2
大学・機関名 *1 防衛大学校, *2 国立病院機構甲府病院

キーワード

前十字靭帯ランディングフィードフォワード関節因性筋抑制ガンマループ