クラシックバレエのトウシューズ着用時の筋骨格系力学負荷と足型の関係
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.42 Vol.42】
要旨
クラシックバレエでは,トウシューズという爪先部分が硬い靴で爪先立ちすることをポアントという.ポアント時には爪先部に負荷が集中し,足部の怪我に繋がりやすい.本研究はポアント時に足部に作用する力学的負荷を明らかにし,外傷や障害を予防することを目的とした.本研究では第二趾が最も長い足形状(ギリシャ型) のダンサーにおいて,両脚支持でのポアント保持時に作用する床反力を計測した.また核磁気共鳴装置を用いて同ダンサーのポアント模擬姿勢保持時の骨と軟骨の形状変形や配置変化状態を撮影し,画像から構築した有限要素モデルを用いて骨と軟骨の応力を解析した.ポアント時は第二趾に荷重し,両足を甲側に押し出す力が作用して足の長軸方向と第一趾側に負荷を分散させていた.足部有限要素モデルでは主に第二趾に中足骨中央部で大きな応力が生じていた.これらの結果から,ポアント姿勢の保持により第二中足骨骨折,外反母趾,足関節内反捻挫が誘引される危険性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」 第42巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
クラシックバレエでは,トウシューズという爪先部分が硬い靴で爪先立ちすることをポアントという.ポアント時には爪先部に負荷が集中し,足部の怪我に繋がりやすい.本研究はポアント時に足部に作用する力学的負荷を明らかにし,外傷や障害を予防することを目的とした.本研究では第二趾が最も長い足形状(ギリシャ型) のダンサーにおいて,両脚支持でのポアント保持時に作用する床反力を計測した.また核磁気共鳴装置を用いて同ダンサーのポアント模擬姿勢保持時の骨と軟骨の形状変形や配置変化状態を撮影し,画像から構築した有限要素モデルを用いて骨と軟骨の応力を解析した.ポアント時は第二趾に荷重し,両足を甲側に押し出す力が作用して足の長軸方向と第一趾側に負荷を分散させていた.足部有限要素モデルでは主に第二趾に中足骨中央部で大きな応力が生じていた.これらの結果から,ポアント姿勢の保持により第二中足骨骨折,外反母趾,足関節内反捻挫が誘引される危険性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」 第42巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 長谷和徳, 井村祥子, 原田拓実, 王森?, 樋口貴広 |
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大学・機関名 | 東京都立大学 |
キーワード