心血管疾患リスクに対する運動効果を予測できる血中バイオマーカーの探索
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.42 Vol.42】
要旨
中高齢者の有酸素性トレーニングによる動脈硬化度の低下には,血管拡張物質:apelinの分泌増加が影響することが報告されているが,有酸素性トレーニングによる血中apelin濃度の経時的な変化が動脈硬化度の低下効果に及ぼす影響は明らかでない.【目的】本研究は,apelinが動脈硬化に対する運動効果を予測できる血中バイオマーカーになりうるか否か検討することを目的とした.【方法】健常な中高齢男女20名を対象に,中等強度の自転車エルゴメータ運動を8週間実施するトレーニング群10名とコントロール群10名にランダムに分けた.トレーニング群は2週間ごとに,動脈硬化度の指標である上腕-足首間の脈波伝播速度(baPWV) および血中のapelin濃度を測定した.【結果】血中apelin濃度は介入開始4週目から有意に増加したが,baPWVは介入開始8 週目に有意に低下した.さらに,血中apelin濃度の介入開始から4週目の増加量とbaPWVの介入開始から8週目の低下量は,有意に負の相関関係を示した.【結論】apelinは,有酸素性トレーニングによる動脈硬化度の低下を予測する血中バイオマーカーとなる可能性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」 第42巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
中高齢者の有酸素性トレーニングによる動脈硬化度の低下には,血管拡張物質:apelinの分泌増加が影響することが報告されているが,有酸素性トレーニングによる血中apelin濃度の経時的な変化が動脈硬化度の低下効果に及ぼす影響は明らかでない.【目的】本研究は,apelinが動脈硬化に対する運動効果を予測できる血中バイオマーカーになりうるか否か検討することを目的とした.【方法】健常な中高齢男女20名を対象に,中等強度の自転車エルゴメータ運動を8週間実施するトレーニング群10名とコントロール群10名にランダムに分けた.トレーニング群は2週間ごとに,動脈硬化度の指標である上腕-足首間の脈波伝播速度(baPWV) および血中のapelin濃度を測定した.【結果】血中apelin濃度は介入開始4週目から有意に増加したが,baPWVは介入開始8 週目に有意に低下した.さらに,血中apelin濃度の介入開始から4週目の増加量とbaPWVの介入開始から8週目の低下量は,有意に負の相関関係を示した.【結論】apelinは,有酸素性トレーニングによる動脈硬化度の低下を予測する血中バイオマーカーとなる可能性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」 第42巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 藤江隼平*1, 家光泰行*1,真田樹義*1, 前田清司*2, 浜岡隆文*3 |
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大学・機関名 | *1 立命館大学, * 2 早稲田大学, * 3 東京医科大学 |
キーワード