信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF ジュニアアスリートにおいて足部形態が運動器機能およびスポーツ動作に与える影響 ―新たなスポーツ傷害スクリーニングの確立に向けて―

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.42 Vol.42

 要旨

 可撓性扁平足は思春期年代によくみられる足部変形である.扁平足は体幹・下肢の運動連鎖に影響して運動器疾患リスクを上昇させるが,成長期における足部形態と歩行時の足圧分布や下肢運動器機能の関連は未だ明らかでない.本研究では定期的な運動習慣を有する成長期アスリート39 名78足(平均年齢13.7歳,男19名,女20名) を対象とし,足部アライメント異常の発生率,足部形態と体組成,下肢筋力,歩行時の足底圧分布と歩行動作の関連を調査した.下腿踵部軸角(LHA)7度以上の外反群は33足(42.5%),7度未満の正常群は45 足であった.外反群では足関節背屈筋力と歩行時の踵接地角度が高値であり,ピーク足底圧は後足部と中足骨頭領域で低く,母趾では高値であった.成長期アスリートの足部アーチは発達段階にあるため,LHAによる足部アライメント評価が有用であり,過度の後足部外反は足関節背屈筋力,歩行時の足底圧分布と踵接地角度に影響することが示唆された.

 「デサントスポーツ科学」 第42巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 生田祥也, 藤下裕下, 大林弘文, 坂光徹彦, 島田雅史
大学・機関名 広島大学病院

キーワード

成長期アスリート扁平足下腿踵部軸角足底圧分布歩行分析