レジスタンストレーニングの継続に伴う筋肥大応答の減弱メカニズムの解明
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.42 Vol.42】
要旨
レジスタンストレーニングは,骨格筋量を維持・増大させるが,トレーニングの継続に伴い,セッション当たりの筋肥大効果は減弱する.そのメカニズムとして,筋タンパク質合成に関わるmTOR複合体1( mTORC1) の運動応答の鈍化が関与するとされている.一方でmTORC1 は筋タンパク質分解系にも関与するが,その応答変化は不明である.この点を明らかにするため,本研究では10 週齢の雄性SDラットに対して48 時間毎にレジスタンス運動を実施し,1Bout目と10Bout目の終了直後と3時間後に対象筋を摘出し,各種解析を行った.ユビキチン化タンパク質の発現量は,Bout数に関わらず運動直後に減少し,3時間後に増加していた.オートファゴソーム形成の指標であるLC3-IIの発現量は,Bout数に関わらず運動終了3 時間後に減少していた.以上のことから,レジスタンストレーニングの継続に伴い筋タンパク質分解系の応答は顕著には変化せず,筋肥大応答の鈍化メカニズムに関与しない可能性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」 第42巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
レジスタンストレーニングは,骨格筋量を維持・増大させるが,トレーニングの継続に伴い,セッション当たりの筋肥大効果は減弱する.そのメカニズムとして,筋タンパク質合成に関わるmTOR複合体1( mTORC1) の運動応答の鈍化が関与するとされている.一方でmTORC1 は筋タンパク質分解系にも関与するが,その応答変化は不明である.この点を明らかにするため,本研究では10 週齢の雄性SDラットに対して48 時間毎にレジスタンス運動を実施し,1Bout目と10Bout目の終了直後と3時間後に対象筋を摘出し,各種解析を行った.ユビキチン化タンパク質の発現量は,Bout数に関わらず運動直後に減少し,3時間後に増加していた.オートファゴソーム形成の指標であるLC3-IIの発現量は,Bout数に関わらず運動終了3 時間後に減少していた.以上のことから,レジスタンストレーニングの継続に伴い筋タンパク質分解系の応答は顕著には変化せず,筋肥大応答の鈍化メカニズムに関与しない可能性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」 第42巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 竹垣淳也*1, 佐瀬晃平*2 |
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大学・機関名 | *1 立命館大学, *2 立命館大学大学院 |
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