帽子の素材・色・形状が暑熱環境下でのスポーツ実施中の生理指標と帽子内温湿度に及ぼす影響
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.42 Vol.42】
要旨
本研究では実験室内で検証されることが多かった帽子の着帽効果について,暑熱環境下における実際の運動・スポーツ場面において検討し,熱中症対策に有用な帽子開発の基礎資料を提示することを目的とした.実験1では,39種類の色と素材の帽子について,帽子内温度が低く抑えられるものは何かを検討した.その結果,綿ポリ製の複数の色で最も温度上昇が抑えられた.実験2 では,綿ポリ製素材を用いて2種類の形状の帽子を試作した.この帽子を用いて,4 種目のスポーツ実施中の帽子内温湿度と被験者の深部体温の変化について観察した.その結果,広い通気口のある帽子では,湿度の上昇が低く抑えられた.他方,帽子全体に1センチ四方の小窓を開けた帽子では,広い通気口を設けるより,帽子内温度上昇率を15ポイント以上低く抑えられた.2 つのタイプの帽子はそれぞれに優れている点が認められ,これらを組み合わせたスポーツキャップがあれば有用性が高いのではないかと示唆された.
「デサントスポーツ科学」 第42巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
本研究では実験室内で検証されることが多かった帽子の着帽効果について,暑熱環境下における実際の運動・スポーツ場面において検討し,熱中症対策に有用な帽子開発の基礎資料を提示することを目的とした.実験1では,39種類の色と素材の帽子について,帽子内温度が低く抑えられるものは何かを検討した.その結果,綿ポリ製の複数の色で最も温度上昇が抑えられた.実験2 では,綿ポリ製素材を用いて2種類の形状の帽子を試作した.この帽子を用いて,4 種目のスポーツ実施中の帽子内温湿度と被験者の深部体温の変化について観察した.その結果,広い通気口のある帽子では,湿度の上昇が低く抑えられた.他方,帽子全体に1センチ四方の小窓を開けた帽子では,広い通気口を設けるより,帽子内温度上昇率を15ポイント以上低く抑えられた.2 つのタイプの帽子はそれぞれに優れている点が認められ,これらを組み合わせたスポーツキャップがあれば有用性が高いのではないかと示唆された.
「デサントスポーツ科学」 第42巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 北徹朗*1, 橋口剛夫*2, 一川大輔*3, 服部由季夫*4, 浅井泰詞*5 |
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大学・機関名 | *1 武蔵野美術大学, *2 帝京科学大学, *3 東洋大学, *4 星槎大学, *5 高千穂大学 |
キーワード