信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高齢者の骨格筋健康指標と運動機能との関係  ― 2 年間にわたる縦断的検討 ―

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.42 Vol.42

 要旨

 高齢者の“健康指標” である骨格筋の量・質と運動機能を2年間に渡って縦断的に検討することを目的とした.48名の高齢者が実験に参加し,65歳以上で70歳未満の対象者をG60群(21名,年齢67.6 ±1.2 歳),70 歳以上-82 歳以下の対象者をG70群(27名,年齢73.3±3.8歳) に分類した.大腿部の筋エコー強度,筋厚,皮下脂肪厚,握力,上体起こし,椅子の座り立ち,5m最大速度歩行等を測定した.初回の測定から2年後にはG60 群とG70群の外側広筋エコー強度,G70群の大腿四頭筋エコー強度は有意に増加した.G70群の外側広筋と外側部(外側広筋+中間広筋) の筋厚が有意に低下した.一方,運動機能ではG60 群またはG70 群において上体起こし,椅子の座り立ち,5m最大速度歩行が有意に改善した.以上の結果から,2 年間の縦断的検討により外側部で筋萎縮が認められたが,この筋萎縮が必ずしも筋機能の低下に直結するわけではないことが示された.

 「デサントスポーツ科学」 第42巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 秋間広*1, 田中憲子*1, 吉子彰人*2, 前田久*3, 前田知宏*3
大学・機関名 *1 名古屋大学, *2 中京大学, *3 名古屋大学大学院

キーワード

加齢骨格筋筋の質縦断的調査身体機能