心血管疾患患者に対する,リアルタイム心拍変動解析による運動強度調節方法の妥当性の検討
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.41 Vol.41】
要旨
【目的】心肺運動負荷試験 (CPX) を用いて決定する運動処方では,日々変化する状態に則した換気性代謝閾値の運動は困難だった.以前,運動中の心拍変動 (HRV) 分析により換気性代謝閾値 (VT) を検出することができることを報告した.今回,HRVのリアルタイム分析により心臓リハビリテーション中の嫌気性代謝閾値での運動強度を決定することが可能か検討した.【方法】25人の心血管疾患患者 (66±8歳,男性22人) を登録した.換気性代謝閾値の酸素摂取量 (VT-VO2) を決定するために,全ての患者で1週間以内にCPXを実施した.リハビリテーション中,VO2と心拍変動の高周波成分 (HF) を連続的に測定し,負荷強度はHF (目標のHF:5~10) に基づいて決定した.リハビリテーション中のVO2とVT-VO2を比較し,その類似性の検証にはBlandとAltmanの手法を適用した.【結果】VT-VO2に対するリハビリテーション中のVO2は95.3±12.0% (運動開始後13分), 100.7±17.3% (17分),101.5±18.0% (21分), 97.7±18.3% (25分) であり,リハビリテーション中のVO2とVT-VO2の一致率は高く,両者の間に有意差を認めなかった (P >0.05).【結論】HRVのリアルタイム評価により心血管疾患患者の状態に応じた換気性代謝閾値の運動強度の運動が可能であった.
「デサントスポーツ科学」 第41巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
【目的】心肺運動負荷試験 (CPX) を用いて決定する運動処方では,日々変化する状態に則した換気性代謝閾値の運動は困難だった.以前,運動中の心拍変動 (HRV) 分析により換気性代謝閾値 (VT) を検出することができることを報告した.今回,HRVのリアルタイム分析により心臓リハビリテーション中の嫌気性代謝閾値での運動強度を決定することが可能か検討した.【方法】25人の心血管疾患患者 (66±8歳,男性22人) を登録した.換気性代謝閾値の酸素摂取量 (VT-VO2) を決定するために,全ての患者で1週間以内にCPXを実施した.リハビリテーション中,VO2と心拍変動の高周波成分 (HF) を連続的に測定し,負荷強度はHF (目標のHF:5~10) に基づいて決定した.リハビリテーション中のVO2とVT-VO2を比較し,その類似性の検証にはBlandとAltmanの手法を適用した.【結果】VT-VO2に対するリハビリテーション中のVO2は95.3±12.0% (運動開始後13分), 100.7±17.3% (17分),101.5±18.0% (21分), 97.7±18.3% (25分) であり,リハビリテーション中のVO2とVT-VO2の一致率は高く,両者の間に有意差を認めなかった (P >0.05).【結論】HRVのリアルタイム評価により心血管疾患患者の状態に応じた換気性代謝閾値の運動強度の運動が可能であった.
「デサントスポーツ科学」 第41巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 勝俣良紀 |
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大学・機関名 | 慶應義塾大学 |
キーワード