有酸素運動の運動強度の新たな指標に関する研究 -ランニングの場合-
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.41 Vol.41】
要旨
本研究の目的は,有酸素運動に関する運動強度の新たな指標を提起することを目指して,心拍変動の時間的変動構造,すなわち心拍変動の周期構造とゆらぎの性質を詳細に調べることである.このために,これまで広く用いられてきたスペクトル解析法を土台にした時系列解析法を用いて,心拍変動の時間的変動構造を調べた.研究対象としては,今日とりわけ競技人口の多いランニングをとりあげ,ランニング中の被験者のR-R間隔・心拍数を測定し,スペクトル解析を実行した.その結果,ランニング中の心拍変動の極低周波数領域(VLF) 領域 (0.003-0.04Hz) と超低周波数領域(ULF) 領域 (0.003Hz未満) において,明瞭な期構造が観測された.最近VLF成分およびULF成分が疾病予後あるいは生命予後の指標として注目されているが,これらの機序については未だほとんど明らかにされていない.今回の解析結果が, VLF成分およびULF成分の機序を明らかにする有益な情報を提供することが期待される.
「デサントスポーツ科学」 第41巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
本研究の目的は,有酸素運動に関する運動強度の新たな指標を提起することを目指して,心拍変動の時間的変動構造,すなわち心拍変動の周期構造とゆらぎの性質を詳細に調べることである.このために,これまで広く用いられてきたスペクトル解析法を土台にした時系列解析法を用いて,心拍変動の時間的変動構造を調べた.研究対象としては,今日とりわけ競技人口の多いランニングをとりあげ,ランニング中の被験者のR-R間隔・心拍数を測定し,スペクトル解析を実行した.その結果,ランニング中の心拍変動の極低周波数領域(VLF) 領域 (0.003-0.04Hz) と超低周波数領域(ULF) 領域 (0.003Hz未満) において,明瞭な期構造が観測された.最近VLF成分およびULF成分が疾病予後あるいは生命予後の指標として注目されているが,これらの機序については未だほとんど明らかにされていない.今回の解析結果が, VLF成分およびULF成分の機序を明らかにする有益な情報を提供することが期待される.
「デサントスポーツ科学」 第41巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 鷲見紋子 |
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大学・機関名 | 札幌医科大学 |
キーワード