運動による骨格筋の毛細血管密度の制御に対するマイオカインの役割
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.41 Vol.41】
要旨
定期的な運動は骨格筋の血管新生因子を増加し,毛細血管密度 (毛細血管網) を増加することで筋萎縮を抑制する.血管新生は骨格筋由来の血管新生因子が統合的に調節する可能性が高いが,これを網羅的解析から同定した報告はない.そこで本研究では,骨格筋が産生する血管新生因子に着目し,運動が毛細血管密度を調節する血管新生因子群の同定を目的とした.方法は,毛細血管密度が高い遅筋および運動群と毛細血管密度が低い速筋および安静群の血管新生因子を網羅的に解析した.解析後,両解析結果を統合し,血管新生を誘導する因子群を統合した.その結果,遅筋の方が速筋よりも発現が高い血管新生因子は34種類,運動群の方が安静群よりも発現が高い血管新生因子は41種類,遅筋と運動群の両群で発現が高い因子は27種類あった.これらの結果は,定期的な持久的運動による骨格筋の血管新生は複数の血管新生因子が統合的に調節する可能性を示唆している.
「デサントスポーツ科学」 第41巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
定期的な運動は骨格筋の血管新生因子を増加し,毛細血管密度 (毛細血管網) を増加することで筋萎縮を抑制する.血管新生は骨格筋由来の血管新生因子が統合的に調節する可能性が高いが,これを網羅的解析から同定した報告はない.そこで本研究では,骨格筋が産生する血管新生因子に着目し,運動が毛細血管密度を調節する血管新生因子群の同定を目的とした.方法は,毛細血管密度が高い遅筋および運動群と毛細血管密度が低い速筋および安静群の血管新生因子を網羅的に解析した.解析後,両解析結果を統合し,血管新生を誘導する因子群を統合した.その結果,遅筋の方が速筋よりも発現が高い血管新生因子は34種類,運動群の方が安静群よりも発現が高い血管新生因子は41種類,遅筋と運動群の両群で発現が高い因子は27種類あった.これらの結果は,定期的な持久的運動による骨格筋の血管新生は複数の血管新生因子が統合的に調節する可能性を示唆している.
「デサントスポーツ科学」 第41巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 奥津光晴,山田麻未 |
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大学・機関名 | 名古屋市立大学 |
キーワード