信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 個人の内因性抗酸化能に応じた強度別身体活動量の検討

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.41 Vol.41

 要旨

 本研究では加速度計で連続10日間測定した身体活動量と遺伝子損傷マーカーである尿中8-hydroxydeoxyguanosine (8-OHdG)のデータの揃った6,410人の男女の保存DNA を用いて,内因性抗酸化酵素の遺伝子であるsuperoxide dismutase 2 (SOD 2)の遺伝子多型を測定し,多型ごとに強度別身体活動と尿中8-OHdG レベルの関連について重回帰分析を用いて検討した.尿中8-OHdG レベルは抗酸化酵素誘導の活性が低いとされるVal/Val 型で高い傾向を認めた.総身体活動量と尿中8-OHdG レベルの関連はVal/Val 型で有意な負の関連を認めたが(β=-0.03, P<0.01), Ala/Val+Ala/Ala 型ではそのような関連は認められなかった(β=-0.01, P=0.39).Val/Val 型強度別では,3METs 以上の中高強度の身体活動においても同様の関連を認めたが,6METs 以上の身体活動では認められなかった.身体活動による遺伝子損傷防止効果は,個人の抗酸化酵素誘導能および運動強度によって異なる可能性が示唆された.

 「デサントスポーツ科学」 第41巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 原めぐみ*1,松本明子*2
大学・機関名 *1 *2 佐賀大学

キーワード

身体活動遺伝子多型抗酸化能遺伝子損傷加速度計