スポーツウェアにおける触覚と皮膚振動に関する基礎研究
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.41 Vol.41】
要旨
スポーツウェアにおける皮膚振動と触覚に関する検討により,着心地の良いウェア開発に向けた基礎データの集積をはかった.健康な若年女性8名を対象に,高温及び低温環境下において,コントロールを含む9種のスポーツウェア素材を指先でなぞった際の皮膚振動測定を行い,得られた振動波をFFT 解析し,振動強度と周波数中央値について検討した.皮膚振動と素材の物性,皮膚特性,官能評価との対応を検討した結果,素材により,皮膚振動には様々な周波数特性が示され,素材の摩擦特性と皮膚の振動強度に高い関係性が見出された.環境間の比較では,低温環境下での振動強度のばらつきが大きくなり,周波数中央値の高値傾向が示された.低温で皮膚特性が変わる等により,皮膚と素材との接触に影響を与えた可能性が考えられる.官能評価との関係については,振動強度が小さく,低周波成分を多く含んだ振動であるほど,なめらかさ・やわらかさ・しっとり感を,振動強度が大きく,高周波成分を多く含む振動であるほど,ざらざら感・かたさ・さらっと感を,感じやすいことが明らかとなった.
「デサントスポーツ科学」 第41巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
スポーツウェアにおける皮膚振動と触覚に関する検討により,着心地の良いウェア開発に向けた基礎データの集積をはかった.健康な若年女性8名を対象に,高温及び低温環境下において,コントロールを含む9種のスポーツウェア素材を指先でなぞった際の皮膚振動測定を行い,得られた振動波をFFT 解析し,振動強度と周波数中央値について検討した.皮膚振動と素材の物性,皮膚特性,官能評価との対応を検討した結果,素材により,皮膚振動には様々な周波数特性が示され,素材の摩擦特性と皮膚の振動強度に高い関係性が見出された.環境間の比較では,低温環境下での振動強度のばらつきが大きくなり,周波数中央値の高値傾向が示された.低温で皮膚特性が変わる等により,皮膚と素材との接触に影響を与えた可能性が考えられる.官能評価との関係については,振動強度が小さく,低周波成分を多く含んだ振動であるほど,なめらかさ・やわらかさ・しっとり感を,振動強度が大きく,高周波成分を多く含む振動であるほど,ざらざら感・かたさ・さらっと感を,感じやすいことが明らかとなった.
「デサントスポーツ科学」 第41巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 佐藤真理子*1,伊豆南緒美*2,松井有子*3,田中由浩*4 |
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大学・機関名 | *1*2*3 文化学園大学,*4 名古屋工業大学 |
キーワード