信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動後のセルフマッサージ介入が「睡眠の質」に及ぼす影響評価

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.40 Vol.40

 要旨

本研究では,運動後のセルフマッサージが「睡眠の質」及び翌日の身体コンディショニングに与える影響を予備的に検証し,その効果の範囲や応用の可能性あるいは限界を明らかにすることを目的とした. 実験参加への承諾が得られた男子大学生・大学院生5 名を対象とし,実験を実施した.対象者には実験室入室後,10 分間のウォーミングアップ,および主運動を実施させた.主運動の実施後,マッサージ条件では下半身を中心に10 分間セルフマッサージを実施させ,コントロール条件では座位安静で10 分間の休息をとらせた.その後,当日の「睡眠の質」を評価するために空調管理した実験室で一晩就寝させ,電気生理学的指標の計測を行った. その結果,睡眠中の心拍数がコントロール条件ではマッサージ条件より有意に高い傾向が認められた.脳波から判定した段階2 潜時及び段階3 潜時は,有意差は認められなかったものの,いずれもマッサージ条件で短縮した.以上のことから,激しい運動後にセルフマッサージケアを行うことで,当日の睡眠の質にポジティブな影響をもたらす可能性が示唆された.しかしながら,本研究は研究に係わるコストの制約から被験者数は小規模(5 名)であり,今後マッサージ部位や時間等の条件を再検討し,更なる検証を進める必要がある.

 「デサントスポーツ科学」 第40巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 大平雅子
大学・機関名 滋賀大学

キーワード

睡眠運動セルフマッサージ成長ホルモン