信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 生体力学手法を用いた片側大腿切断者における走速度獲得メカニズムの解明

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.40 Vol.40

 要旨

本研究の目的は,片側大腿切断者の関節モーメントを算出し,走速度獲得メカニズムを解明することであった.被験者は片側大腿切断者14 名とし,パラリンピック出場群(4 名)および不出場群(10 名)の2 群に分類した.各被験者には40m の走路で全力疾走を行わせ,被験者に貼付した反射マーカの位置情報および地面反力のデータを三次元動作解析装置で計測した.膝継手を含むスポーツ用義足は,円柱および直方体と幾何近似することでモデリングし,下肢三関節のモーメントを算出した.両群で下肢三関節のモーメント比較した結果,パラリンピック出場群は健側肢における股関節伸展モーメントおよび義足肢における足関節底屈モーメントが不出場群よりも有意に大きかった.これらの結果は,大腿切断者が大きな走速度を獲得する為には,健側肢の股関節伸展筋をトレーニングすること,そして義足に荷重し,弾性エネルギーをより利用することが必要であることを示唆している.

 「デサントスポーツ科学」 第40巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 並木優太, 竹村裕*1, 保原浩明*2
大学・機関名 *1東京理科大学, *2産業技術総合研究所

キーワード

大腿切断者関節モーメント全力疾走パラリンピック競技用義足