信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 下肢筋群の脊髄興奮性を評価する経皮的脊髄刺激法 - 縦断的評価法としての確立を目指して -

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.40 Vol.40

 要旨

本研究の目的は, 経皮的脊髄刺激法(transcutaneous spinal cord stimulation: tSCS)を用いて下肢筋群から誘発された脊髄反射の動員特性の再現性を明らかにすることであった.被験者は男性20 名(25.8±3.4 歳)であった.仰臥位で安静を維持している被験者の脊髄に電気刺激(1ms矩形波,50ms 間隔の2 連発刺激)を与え,下肢8 筋(足趾,下腿,大腿部筋群)から脊髄反射を誘発した.計測では刺激強度を漸増させて各筋から脊髄反射動員曲線を取得した.実験は24 時間の間隔を空けて2 回実施された.各筋における脊髄反射の動員曲線の閾値強度および最大傾斜を算出し,級内相関係数(intraclass correlationcoefficient: ICC)を用いて再現性の程度を評価した.脊髄反射の閾値強度のICC は0.487 から0.874であり,最大傾斜のICC は0.471 から0.964 の範囲であった.tSCS により誘発された脊髄反射動員曲線は,中程度以上の再現性があることが示された.

 「デサントスポーツ科学」 第40巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 齋藤輝*1, 中川剣人*1, 一寸木洋平*2
大学・機関名 *1東京大学大学院, *2東京国際大学東京大学大学院

キーワード

脊髄反射動員曲線筋電図再現性妥当性