信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF BMRT スロー法による健康増進への取り組み

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.40 Vol.40

 要旨

【背景】自体重スローレジスタンス運動(BodyWeight Resistance Exercise with slow movement,BWRE-slow)は筋力や筋機能の向上に効果的であることは報告されているが,エネルギー代謝やエネルギー消費量に関しては検討されていない.本研究はBWRT-slow 中および終了後30 分間のエネルギー消費量,呼吸交換比,心拍数,乳酸濃度を,運動中のエネルギー消費量を同等に揃えたウォーキングと比較することとした. 【方法】8 名の若年男性(23.4±1.8 歳, 171.2±6.2cm, 63.0±4.8kg)は,スクワット,プッシュアップ,ランジ,ヒールレイズ,ヒップリフト,腹筋の6 種目を上記の順番に3 セットずつ実施した.実施速度は挙上・降下ともに3 秒(往復6 秒)とし,1 セット10 回,セット間休息を30 秒とし,合計3セットずつ実施した(合計26 分30 秒).別日に運動時間,運動中のエネルギー消費量をBERT-slowと同等に揃えたトレッドミルウォーキング( TW)を実施した. 【結果】BWRT-slow は平均3.1 メッツで,運動中のエネルギー消費量は条件間に差を認めなかった(BWRT-slow; 92.6±16.0, TW; 95.5±14.1kcal,P=0.36).運動後30 分間のエネルギー消費量はBWRT-slow がTWよりも有意に高かった(40.55±3.88kcal for 30-min) than TW (37.61±3.19kcal,P=0.029).運動終了直後(0-5 分)の呼吸交換比は,BWRT-slow がTW よりも有意に高かったが,運動後30 分間の終盤(25-30 分)においてはTWよりも有意に低く,エネルギー基質として脂質酸化量が高かった. 【結論】若年男性においてBWRT-slow は平均3.1メッツの中等度強度に相当する身体活動であることを示した.

 「デサントスポーツ科学」 第40巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 中潟崇*1, 山田陽介*2, 内藤久士*3
大学・機関名 *1順天堂大学大学院, *2医薬基盤・健康・栄養研究所, *3順天堂大学

キーワード

自体重レジスタンス運動エネルギー消費運動強度呼吸交換比運動プログラム