信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 筋細胞レベルでの筋線維組成がstretch-shortening cycle によるパフォーマンス増強に与える影響の解明

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.40 Vol.40

 要旨

主動作の前に反動として伸張性収縮を行うと(stretch-shortening cycle:SSC),主動作のパフォーマンスが増強する( SSC 効果).SSC 効果を生じさせる要因としてクロスブリッジおよびタイチンの弾性が提唱されている.本研究では,クロスブリッジ動態およびタイチンの形状が異なる速筋線維および遅筋線維を対象にSSC を行い,SSCのメカニズムを検証した.大腰筋( 速筋線維) とヒラメ筋( 遅筋線維) の単一筋細胞を対象に,伸張性収縮の後に短縮性収縮を行うSSC 試行,等尺性収縮の後に短縮性収縮を行うControl 試行を行った.また,タイチンの弾性がSSC 効果に与える影響を検証するため,伸張性収縮の後に等尺性収縮を行うresidual force enhancement 試行,等尺性収縮のみを行うControl 試行を実施した.その結果,SSC 効果はヒラメ筋にて大きかった.一方,タイチンの弾性に関連しているRFE は筋間に差はなかった.したがって,筋線維タイプ間でみられたSSC 効果の違いは,タイチンではなくクロスブリッジの弾性によるものだと考えられる.

 「デサントスポーツ科学」 第40巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 福谷充輝
大学・機関名 立命館大学

キーワード

反動動作伸張性収縮クロスブリッジタイチン筋線維組成