信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 経口の食事により分泌が刺激される消化管ホルモンを利用した新規骨格筋増強策の開発

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.40 Vol.40

 要旨

本研究では,骨格筋細胞のタンパク量変化に対する消化管ホルモンであるGIP およびGLP-1 受容体アゴニストexedin-4(Ex4)の影響を追究し,骨格筋量の維持・増量に対する経口の食事の意義を明らかにすることを目的とした.実験には,マウス筋芽細胞由来C2C12 細胞を用いて,培地にGIP あるいはEx4 を添加して一定期間培養した後に細胞を回収し,筋タンパク量からGIP あるいはEx4 の影響を評価した.GIP は筋タンパク量を有意に増加させたが,Ex4 は筋タンパク量に有意な変化は与えなかった.GIP による筋タンパク量の増量効果は,siRNA を用いてGIP 受容体をノックダウンしても認められた.しかし,このGIP 依存性の筋タンパク増量作用は,GIP 受容体ノックダウンにより一部抑制された.また,GIP受容体ノックダウンは,C2C12 筋芽細胞の増殖を促進することが確認された.したがって,経口の食事により分泌される消化管ホルモンGIP が骨格筋量の維持に寄与することが示唆された.

 「デサントスポーツ科学」 第40巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 後藤勝正*1, 青島恵*1., 横山真吾*2
大学・機関名 *1豊橋創造大学大学院, *2豊橋創造大学

キーワード

消化管ホルモン骨格筋培養筋細胞胃抑制性ポリペプチドグルカゴン様ぺプチド-1