信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 登山行動中の血行動態の解明―マルチセンサ - 自由行動下24 時間血圧計を用いた計測 -

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.40 Vol.40

 要旨

本研究は,健常人を対象に登山行動中および短期間の高所滞在中の血圧,低酸素に関連した生理的反応を明らかにすることを目的として研究を行った.健常人6 名にマルチセンサー自由行動下血圧計を装着し,富士登山を行い,山頂に宿泊して下山した.この期間血圧測定を行い,夜間には酸素飽和度測定を行った.富士登山中の血圧値は日常生活中に比べて高値であり(富士登山 vs日常生活 24 時間収縮期血圧 117.8±5.4 mmHgvs 111.4±5.8 mmHg, p=0.04, 覚醒時収縮期血圧123.4±6.9 mmHg vs 115.2±7.2 mmHg, p=0.03),登山中の覚醒時収縮期血圧値と関連する因子は活動量であった(R=0.87, p<0.05).また,急性高山病を発症した被験者には,血圧日内変動異常が認められた.登山行動中の血圧値は活動量と関連することが明らかになった.高山病時には血圧日内変動異常が生じる可能性が示唆された.登山行動は血圧上昇が生じ,高山病発症時には血圧変動異常も生じる可能性があり,注意を要すると考えられた.

 「デサントスポーツ科学」 第40巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 小森孝洋, 金澤英紀, 星出聡
大学・機関名 自治医科大学

キーワード

血圧日内変動高山病登山高所