信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 多周波インピーダンスを活用した筋肉内部温度の非侵襲的測定の試み

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.40 Vol.40

 要旨

本研究は電気抵抗が組織の温度に依存して変化するという電気的特性を応用し,腓腹筋の皮膚表面からの局所冷却に加え,膝窩部の大動脈を冷却した場合の冷却効果について多周波インピーダンスを用いて検討した.被験者は男子大学生10 名を対象とした.インピーダンス測定時の電極配置は両検出(V)電極の間隔を15cm に設定し,末梢側の電流(I)電極はV 電極から2cm,3cm 及び4cm とした.測定条件は腓腹部のみ冷却条件及び腓腹部+膝窩部冷却条件とした.冷却中のインピーダンスと皮膚温の測定は5 分毎に30 分間行った.温度の推定は皮膚表面から2cm,3cm,4cm 深部までの3 種類とした.両条件とも時間の経過とともに温度の低下が確認された.また両条件とも皮膚表面から深部になるにつれ冷却温度の変化は小さかった.膝窩部の大動脈を冷却した場合には腓腹部のみ冷却条件よりも冷却効果が優れていることが明らかとなった.以上より局所冷却に加え,中枢側の大動脈の冷却を行うことで冷却力を高めることが窺えた.

 「デサントスポーツ科学」 第40巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 小宮秀明*1, 黒川修行*2
大学・機関名 *1宇都宮大学, *2宮城教育大学

キーワード

電気インピーダンス筋内温度非侵襲的測定アイシング人体