信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 骨格筋の虚血プレコンディショニングは実用可能なのか:食餌性硝酸塩併用も含めた検討

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.40 Vol.40

 要旨

 虚血プレコンディショニングとは,長時間の心筋虚血の前に短時間の虚血再灌流操作を繰り返し行うことによる虚血耐性の獲得であるが,近年,この手技がスポーツ科学領域に応用され,骨格筋に施行することで,運動持続時間,最大酸素摂取量,最大パワーおよび最大筋力が増加するなどの複数の報告がみられる.本研究では,まず直接的虚血プレコンディショニングが下肢最大筋力と筋疲労に与える効果と必要回数を検証したが,回数によらず明らかなパフォーマンス向上効果は認められなかった.問題点を考察し,実践的な運動(連続跳躍)において両足の虚血プレコンディショニングを施行し,効果を検証した.また,効果の機序と推定される一酸化窒素発生を助長する食餌性硝酸塩の併用効果も検討した.しかしながら,いずれのプロトコールにおいても統計学的に有意なパフォーマンス向上効果は認められず,この手技の有効性に疑問を提起する結果となった.

 「デサントスポーツ科学」 第40巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 沖田孝一*1,高田真吾*2,森田憲輝*3
大学・機関名 *1北翔大学, *2北海道大学, *3北海道教育大学

キーワード

骨格筋虚血再還流食餌性硝酸塩プレコンディショニング