信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 長時間のペダリング運動中のコンプレッションウェア着用が筋酸素動態,糖代謝および運動パフォーマンスに及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.40 Vol.40

 要旨

 本研究では,長時間のペダリング運動中における着圧の異なるCG の着用が,筋酸素動態および糖代謝に及ぼす影響を検討することを目的とした.男性トライアスロン競技選手10 名を対象に,運動時に①強圧(約40hPa)の着圧が大腿部に施されるCG(強圧条件),②弱圧(約20hPa)の着圧が施されたCG(弱圧条件),③着圧を施さない(10hPa 以下)タイツ(コントロール条件)のいずれかを着用する測定を,それぞれ異なる日に実施した.運動には,最大酸素摂取量の65%に相当する負荷での90 分間のペダリングを用いた.運動中は,筋酸素動態(酸素化ヘモグロビン),糖代謝(13C 標識グルコースの利用動態により評価),心拍数,主観的運動強度の経時変化を検討した.運動中の13C 排出量の最高値は,弱圧条件が強圧条件およびコントロール条件と比較して早期に出現した(P<0.05).組織酸素飽和度,心拍数および主観的運動強度の変化の動態には,条件間での有意差は認められなかった.90 分間のペダリング運動中における大腿部に弱圧(約20hPa)を施したCG の着用は,血中グルコースの利用を変化させることが明らかとなった. 

 「デサントスポーツ科学」 第40巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 水野沙洸
大学・機関名 立命館大学 日本学術振興会 特別研究員

キーワード

コンプレッションウェア13C呼気試験筋酸素化動態長時間ペダリング運動エネルギー代謝