新たな短下肢装具の開発に向けた靴底形状による下肢の機能代償と臨床への応用可能性
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.39 Vol.39】
要旨
本研究は,足底が円弧形状の足関節固定短下肢装具(ROS装具)を装着した歩行時の筋電解析によって下肢機能代償性を検証することである.対象は,健常な女性12名.方法は,トレッドミル上の歩行速度を3段階(4.5km/h,3.5km/h,2.0km/h)に変化させて,4設定(15%,21%,27%,33%)のROS装具で比較した.筋活動の計測は,前脛骨筋,腓腹筋,大腿直筋,半腱様筋である.その結果,ROS装具は前脛骨筋と腓腹筋でTerminal stance時に同時性の筋収縮がみられ,Shoesよりも筋活動量が増大した.大腿直筋と半腱様筋において,ShoesとROS装具間には有意な差はなく,Shoes歩行と近似していた.またR27%の低速度歩行は,shoes歩行と近似していた.これらの結果より,ROS装具では前脛骨筋と腓腹筋で歩行の代償が行われ,特にR27%装具の臨床応用の可能性が高いことが示唆された.
「デサントスポーツ科学」第39巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
本研究は,足底が円弧形状の足関節固定短下肢装具(ROS装具)を装着した歩行時の筋電解析によって下肢機能代償性を検証することである.対象は,健常な女性12名.方法は,トレッドミル上の歩行速度を3段階(4.5km/h,3.5km/h,2.0km/h)に変化させて,4設定(15%,21%,27%,33%)のROS装具で比較した.筋活動の計測は,前脛骨筋,腓腹筋,大腿直筋,半腱様筋である.その結果,ROS装具は前脛骨筋と腓腹筋でTerminal stance時に同時性の筋収縮がみられ,Shoesよりも筋活動量が増大した.大腿直筋と半腱様筋において,ShoesとROS装具間には有意な差はなく,Shoes歩行と近似していた.またR27%の低速度歩行は,shoes歩行と近似していた.これらの結果より,ROS装具では前脛骨筋と腓腹筋で歩行の代償が行われ,特にR27%装具の臨床応用の可能性が高いことが示唆された.
「デサントスポーツ科学」第39巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 中村大介, 関谷曻, 松永勇紀 |
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大学・機関名 | 昭和大学 |
キーワード