信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 日常生活用義足と陸上競技用義足の走行比較による中高生義足ユーザーに向けた足部選択およびトレーニング法の提案

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.39 Vol.39

 要旨

 本研究は前向き研究として,初めて陸上競技用義足(Carbon fiber running-specific prosthesis,以下RSP)を装着する下腿切断者1名に対し,トレーニング内容,身体機能の変化および走行タイムの記録を行い,足部の選択時期,および安全性に着目したトレーニング法について検討した.結果,走行用のC型およびJ型足部を用いたRSPと日常生活用義足(Daily use prosthesis,以下DUP)では50mの走行タイムに違いはなく,トレーニング実施前から32週後の走行タイムはC型RSPでは7.99秒から6.81秒に,DUPでは8.27秒から6.65秒に向上した.走行タイム向上の要因は筋力およびバランス能力,柔軟性の向上であると考えられ,それらはスポーツ障害の予防にもつながる.RSP走行は健側下肢に対するスポーツ障害のリスクが高い可能性も指摘されており,特に成長期にある中高生へのRSP使用については検討する必要がある.

「デサントスポーツ科学」第39巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 徳井亜加根*1, 星野元訓*1, 野原耕平*1, 梅崎多美*1, 塩田琴美*2
大学・機関名 *1 国立障害者リハビリテーションセンター学院, *2 早稲田大学

キーワード

切断障がい者スポーツ二次的災害走行トレーニング方法