筋肉類似エラストマーの創製とスポーツ・サポーターへの適用
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.39 Vol.39】
要旨
架橋シリコーンは生体適合性を有するエラストマーであるが,これをスポーツ・サポーターとして用いるためには,筋肉類似の高伸度と高強度が求められる.そこで,シリコーン・エラストマーを高強度化するために,シリカ等のフィラーを添加する方法が採用されてきたが,フィラーとシリコーン・マトリクスの界面で剥離が起るため,伸度は低下してしまう.また,シリコーンを架橋させるには,一般には白金触媒が用いられており,生体に直に触れるスポーツ・サポーターには適さない.そこで,本研究では,多分岐型架橋剤を用いることで,金属触媒なしでシリコーン・エラストマーを調製した.これらの破断メカニズムを解明するために,分子運動性を定量化できるプロトン核磁気共鳴(1H-NMR)測定ならびに堅さ・柔らかさを可視化できる走査プローブ顕微鏡(SPM)観察を組み合わせた「インプロセス計測」を試みた.その結果,高ひずみでは架橋成分の凝集化が起こっており,これら破断の原因となっていることが明らかとなった.
「デサントスポーツ科学」第39巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
架橋シリコーンは生体適合性を有するエラストマーであるが,これをスポーツ・サポーターとして用いるためには,筋肉類似の高伸度と高強度が求められる.そこで,シリコーン・エラストマーを高強度化するために,シリカ等のフィラーを添加する方法が採用されてきたが,フィラーとシリコーン・マトリクスの界面で剥離が起るため,伸度は低下してしまう.また,シリコーンを架橋させるには,一般には白金触媒が用いられており,生体に直に触れるスポーツ・サポーターには適さない.そこで,本研究では,多分岐型架橋剤を用いることで,金属触媒なしでシリコーン・エラストマーを調製した.これらの破断メカニズムを解明するために,分子運動性を定量化できるプロトン核磁気共鳴(1H-NMR)測定ならびに堅さ・柔らかさを可視化できる走査プローブ顕微鏡(SPM)観察を組み合わせた「インプロセス計測」を試みた.その結果,高ひずみでは架橋成分の凝集化が起こっており,これら破断の原因となっていることが明らかとなった.
「デサントスポーツ科学」第39巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 上原宏樹 |
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大学・機関名 | 群馬大学大学院 |
キーワード