信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 各種動脈硬化指標からみたサルコペニア肥満の診断基準の確立

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.39 Vol.39

 要旨

 当院健康科学センターを受診しているサルコペニア外来通院患者16名,肥満症外来通院中の肥満症患者32名を対象とし,サルコペニア肥満症がどの程度動脈硬化の危険因子に影響するかを明らかにし,骨格筋を加味した肥満症評価法の確立を目指す.肥満症患者はサルコペニアの基準を満たしていないが,動脈硬化指標が高値であることが明らかとなった.HOMA-IRを基準値以上と以下の2群に分けて比較し,有意差のあった%lean/W,lean/fat(Total)についてHOMA-IRに対するcutoff値を検討した.cutoff値は%lean/W:5.6%(感度85.7%,特異度72.0%),lean/fat(Total):1.52(感度85.7%,特異度72.0%)で,ROC曲線下面積はともに0.789であった.高度肥満症患者のサルコペニアを判断する場合,除脂肪量/体重と除脂肪量/脂肪量は動脈硬化関連指標であるインスリン抵抗性を予測することができ,動脈硬化リスクの高い高度肥満症患者のサルコペニア肥満を診断する指標の1つとなる可能性が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第39巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 高尾奈那, 堤博美, 木村穣
大学・機関名 関西医科大学

キーワード

サルコペニア肥満体脂肪量除脂肪量動脈硬化インスリン抵抗性