信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 加齢に伴う体幹部骨格筋の量的・質的変化-高齢者を対象とした縦断的検討-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.39 Vol.39

 要旨

 本研究の目的は,高齢者における体幹部骨格筋の量と質における5年間の縦断的変化を明らかにすることであった.本報告では男女23名(年齢:71.7±4.3歳,体格指数:22.1±2.6kg/m²)における1年間の変化を報告する.被験者の身長,体重,体脂肪率,身体機能のほか,腹直筋と腰部多裂筋のBモード超音波横断画像を取得した.対象2筋の量の指標として筋厚を,質の指標としてエコー強度(高値を示すほど筋内への脂肪蓄積度が高いことを示す)を,また直上の皮下脂肪厚を算出した.その結果,腹直筋エコー強度を皮下脂肪厚で補正した値には1年後に増加傾向が認められた.全測定項目の変化量を独立変数としたステップワイズ重回帰分析の結果,腹直筋エコー強度の変化量の有意な予測変数として,同筋の筋厚変化量のみが選択された.少なくとも腹直筋の場合には,筋量の低下と筋の質の低下が関連している可能性が示された.

「デサントスポーツ科学」第39巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 田中憲子, 小川まどか, 吉子彰人, 富田彩, 秋間広
大学・機関名 名古屋大学

キーワード

サルコペニア腹部超音波画像法筋厚エコー強度