信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 形状及び素材の異なる水着が水泳時の推進パワーおよび腹腔内圧に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.39 Vol.39

 要旨

 本研究は,形状と素材の異なる水着が泳速-抵抗関係と腹腔内圧(Intra-abdominal pressure,以下IAPと略す.)に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.大学男子競泳選手10名に,形状と素材の異なるレース用および練習用水着を着用させ,クロール泳のアームストローク泳(以下プルと略す.)と全身泳(以下スイムと略す.)における最大努力時の速度とIAPを測定した.さらに,プルでは,抵抗測定装置を用いて最大下から最大努力で泳いだ際の泳速-抵抗関係,IAPおよび最大推進パワーを測定した.その結果,最大努力による泳速は,プルおよびスイムともに練習水着よりもレース水着の方が有意に速かったが,IAPに有意差は認められなかった.一方,泳速-抵抗関係の回帰式より推定された同一泳速での抵抗値,最大推進パワーおよびその際のIAPは,水着間で有意差は認められなかった.以上より,レース用水着の着用は,プルおよびスイム共にパフォーマンス向上に貢献するものの,IAP,泳速-抵抗関係や最大推進パワーには影響を及ぼさないことが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第39巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 森山進一郎*1, 荻田太*2, 萬久博敏*2
大学・機関名 *1 東京学芸大学, *2 鹿屋体育大学

キーワード

水着抵抗力最大推進パワー腹腔内圧泳パフォーマンス