持続可能社会に貢献する、セルロースナノファイバー技術を活用した農業用資材の開発
ナノアグリ・フォーカス・コンソーシアムは農林水産物資源の有効活用、農林水産業の技術革新、持続可能社会の実現という課題の同時解決のため、緊密な農工連携体制を構築します。
セルロースナノファイバーによる新素材サイクルの創出
研究の目的
廃プラスチック複合体の高付加価値化
ナノナノ複合体フィルタによる水耕栽培の生産性向上
施設園芸サイクル向上
基盤となる研究
ナノナノ複合体の創成
世界初のTEMPO酸化法とセルレーション技術の融合
廃プラスチックのリサイクル技術
廃プラスチック
廃プラスチック、特に、本事業で取り組むプラスチック製容器包装リサイクル(容リプラ)は、風力と水(比重)、粒度、磁力、近赤外線などで金属、木片、紙、高分子では焼却をしない塩ビ(PVC)など、約15%程度を除いてから、リサイクル作業に取り組む。残りを100%とすると、ポリプロピレン(PP)30%、ポリエチレン(PE)35%が多く、残りのポリオレフィン(およそ15%)、PS、PETなどのC材は焼却される。また、PP、PEは、合わせてポリオレフィンと呼び、混合物やラミネーションになっていることも多い。
容リプラの選別
選別は用途を中心に行われている。近年では、選別は主に近赤外分光が用いられている。近赤外分光により、他の高分子の混入が無いポリオレフィンに選別され、これがペレットで販売されるA材(約20%)である。ポリオレフィンにPA、PS、PET、PVDCなど他の高分子が混入したものがB材であり(約30%)、一般には助燃剤として使用されることが多いが、(株)富山環境整備のようにパレットやプライターの製造に用いられる場合もある。残りのポリオレフィン(およそ15%)、PS、PETなどのC材は、焼却される。
容リプラをペレットや材料として活用する業者はまだ少ないので、本研究を推進する中で、この選別の概念についても、廃プラスチック業者に普及させていく。
容リプラの高性能化、高機能化
容リプラの選別技術の改良とともに、A材、B材、C材の一部を高性能化し、施設園芸で使用される資材の製品開発を行う。
基盤技術
セルレーション技術(信州大学 先鋭材料研究所 野口研)
高性能化・高機能化が達成される基本的な考え方。本事業の基礎研究では、まず、セルレーションの発現を目指す。
セルレーション
CNF&CNTの解繊・単離・分散 → 界面形成 → 濃度増加
→→→ セル化 →→→ 立体構造形成
:::物性の飛躍的増大(高性能化)&高機能発現:::
ナノサイズ効果
CWSolid法
セルレーションを発現させ、スケールアップ可能な加工法。
強固な水素結合で、水中でネットワークを形成しているため、CNFは凝集し易い。凝集すればナノサイズ効果は得られない。
そこで、CNF水分散液原料の水分を乾燥しても、CNFが凝集しない方法を開発した。
本事業では、これらを、さらに改良する。
農産廃棄物バイオマスのTEMPO酸化(東京大学 磯貝研)
農産廃棄物からCNFを作製する手法。
廃プラスチック再生(リサイクル)技術
家庭などから分別回収したプラスチック製容器包装をポリエチレン、ポリプロピレン等の単一素材に選別し、リサイクル原料化する。原料化したプラスチックは、ペレットとして材料化、またはペレットミル及びフレーク化し、物流資材、建築資材などのプラスチック製品を当社工場にて製造する。残渣は当社工場内の発電併用焼却施設で焼却燃料として発電し、得られた電力は焼却施設をはじめとする自社施設に供給し、エネルギーを有効利用する廃プラスチック100%原料化を目的とした、マテリアルリサイクル及びサーマルリサイクルに取り組んでいる。
富山環境整備のサイトへ
- 光学式選別機
- リバースパレット製品
開発ターゲット
施設園芸用資材など
研究による効果&波及効果
セルロースナノファイバーによる新材料サイクル創出
廃プラスチックリサイクルの先端技術化と施設園芸の合体によるシナジー効果を活用する
- 農産物の高付加価値化、廃プラスチック活用による経営コスト削減
- 施設園芸における新しいモデル提示による若者への魅力向上
- 日本型農工連携による循環型持続可能社会の形成(地球規模課題)