会長 栗田 浩
皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、この度、第39回(公社)日本口腔外科学会中部支部学術集会を担当させて頂きます。この様な機会を頂き、誠に光栄に存じます。
日本口腔外科学会も創立から80年が過ぎ、会員数1万人を抱える学会へと成長してきました。多くの先輩諸先生方の御苦労により、日本の医療における歯科・口腔外科の位置づけも確立されて参りました。しかしわれわれ口腔外科が果たすべき役割は多く、今までにも増して努力していかなければならないと感じています。
私の在籍する地方大学では医師不足、外科医不足は深刻な問題です。然るに歯科界では歯科医師過剰時代とされているのですが、地方大学の歯科口腔外科では入局希望者が減少している現状があります。また、医療を取り巻く厳しい環境や教育によるものか、時代を引っ張る強力かつ積極的な人材が育ってきていないのではないかと危惧しています。人材やリーダーの不足は、特に地方における口腔外科医療の後退を招き、口腔外科全体の衰退にもつながる危険を含んでいます。今後押し寄せる荒波に対して、口腔外科を守り発展させていくことを危うくします。今回、このような地方の現状を踏まえて、「歯科・口腔外科の現状と将来 −君は口腔外科を一生の仕事に出来るか?−(仮題)」と題した 、若手口腔外科医らによる討論会を計画しました。これからの口腔外科の発展には若手口腔外科医の成長が必須です。簡単な情報交換会の後に、イブニング討論会として開催いたします。本音で口腔外科の将来を語り合い、ひとりでも多くの、将来を背負って立つ口腔外科医が生まれればと願っております。
今回はいくつか新しい試みを行います。会は午後からの開催とし、夕方には情報交換会(会費は参加費に含まれています)を企画しました。会員の先生の横のつながりを強化したいと思っています。また、歯科衛生士セッションも企画しました。口腔外科の反映には、専門の歯科衛生士も必須であり、積極的な参加をお待ちしております。翌日には山岳景勝地である上高地へのバスツアーも計画しました。上高地には普段は交通機関を乗り継いで訪れなければなりませんが、直通かつ短時間で観光を楽しんで頂くチャンスです。松本を訪れる機会は少ないと思いますので、是非、自然にも触れて松本市での地方会をお楽しみ下さい。
医局員一同、皆様の参加をお待ちしております。是非、松本の地へ足をお運び頂き、口腔外科の将来について語り合いましょう。