信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF カーボンマイクロコイルを利用した圧迫型アンダーウェアの着用が腰部筋群の痛み,柔軟性,筋力に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.37 Vol.37

 要旨

 本研究の目的は,腰部に不定愁訴を訴える人を対象に,カーボンマイクロコイル(CMC)を貼付した圧迫型アンダーウェアの着用が,腰部筋群の痛み,緊張,柔軟性,背筋力に及ぼす影響を検討することであった.ランダムオーダークロスオーバー法と二重盲検法の下で,CMCあるいはその対照素材(BLK)付きの圧迫型アンダーウェアの,着用前(Pre),30分後(30min),10日後(10d)に8人の被験者を測定した.繰り返しのある二要因の分散分析を使い,多重比較では必要に応じてBonferroni法を利用した.有意水準を5%とした.筋の機械刺激に対する痛み閾値,痛みの程度,柔軟性,筋力においては,有意な交互作用(試行×時間)は検出されなかった(P>0.05).一方,筋硬度計にて評価した筋の緊張の程度は,有意な交互作用が確認された(P=0.02).測定ポイント毎の比較では,試行間に有意差を確認できなかったが(P>0.05),CMC試行では30分後から10日後にかけての筋緊張の上昇が抑制されているようにみえた.これらの結果は,CMC付き圧迫型アンダーウェアの着用は,腰部の筋痛,柔軟性,筋力に影響を及ぼさないが,筋緊張が高まることを抑制する可能性があることを示唆する.

「デサントスポーツ科学」第37巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 堀田典生*1, 浦井久子*1, 建部貴弘*2
大学・機関名 *1 中部大学, *2 愛知淑徳大学

キーワード

慢性痛腰背部痛スポーツウェア不定愁訴ヘリカル炭素線維