信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高強度のウォームアップ運動が活動筋の酸素動態に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.37 Vol.37

 要旨

 高強度のウォームアップ(W-up)運動を用いると,W-up運動後の主運動における活動筋の酸素消費量(VO₂)の増加が速くなり,酸素不足が減少する.本研究では,表層筋に加えて深層筋も含めた活動筋の酸素動態を計測し,高強度のW-up運動が活動筋の酸素動態に及ぼす影響を明らかにした.時間分解・近赤外分光装置を用いて,活動筋における脱酸素化ヘモグロビン+ミオグロビン(HHb)を計測した.大腿直筋深層部のHHbは第1運動と第2運動の開始後の約5分目において定常状態を示し,VO₂とQの増加速度のマッチングが生じたことが示唆された.さらに,第1運動と第2運動において大腿直筋深層部におけるHHbの時定数と平均応答時間は表層部に比べて有意に遅かった.HHbはVO₂/Qを反映するので,表層筋に比べて遅筋線維が多く含まれ,運動中の筋温がより高い深層筋では,酸素供給が十分になって活動筋全体のVO₂とQのバランスが改善され,酸素不足が減少したと推測される.

「デサントスポーツ科学」第37巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 古賀俊策*1, 近藤徳彦*2, 福岡義之*3, 天野達郎*2, 奥島大*4
大学・機関名 *1 神戸芸術工科大学大学院, *2 神戸大学, *3 同志社大学, *2 神戸大学, *4 神戸芸術工科大学

キーワード

酸素不足ウォームアップ運動活動筋酸素動態深層筋