信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動による認知機能の向上は運動様式によって異なるのか?

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.37 Vol.37

 要旨

 本研究は,有酸素運動と抵抗性運動という異なる様式の運動がどのようにヒトの認知機能を向上させるのかについての基礎的知見を得るために,それぞれの運動の前後で,血漿カテコラミン,血清インスリン様成長因子(IGF-1),血清コルチゾールの濃度を測定し,認知課題のパフォーマンスの変化と比較した.本研究では,サンプルサイズが不十分だったために,それぞれの運動後に認知機能が向上するという統計的に有意な結果を得ることはできなかった.しかし,どちらの運動後にも血漿のカテコラミンが増加し,血清コルチゾール濃度が低下すること,抵抗性運動後にのみ血清IGF-1 および血中乳酸濃度が上昇することを示した.これらの結果は,様式の異なる運動が認知機能に及ぼす影響を推察するための基礎的知見となると考えられる.今後は実験参加者を追加することで十分なエビデンスを提供することが課題であろう.

「デサントスポーツ科学」第37巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 安藤創一
大学・機関名 電気通信大学

キーワード

認知機能有酸素運動抵抗性運動反応時間覚醒レベル