トレーニング効果から見た持久力トレーニングの量的限界に関する組織化学的,生化学的研究
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.5 Vol.5】
総括
持久的走トレーニングの量的限界および最適トレーニング量に対して,基礎的資料を得る目的で本研究を行った.Wistar系雄ラット32匹を用い,コントロール群,60分走トレーニング群,120分走トレーニング群,Exhaustive走トレーニング群の4群に分けた.ラットは,8週間にわたってトレーニングを行った後,パフォーマンステスト,各組織重量および組織化学的,生化学的分析などにより,以下に示す結果を得た.
1.走行パフォーマンステストの結果,120分群が最も好成績を収めた.
2.体重あたりの心臓重量を心筋肥大の指標として用いた時,いずれの群においてもトレーニングによって肥大が認められたが,その肥大率は120分群でレベリングオフする傾向が認められた.
3.トレーニング群におけるCapillary supply(CD,CFratio,CC,筋線維横断面積/CC)はコントロール群よりも有意に高く,トレーニングによる毛細血管の新生が示唆された.しかし,いずれの項目においても,120分群とEXhaustive走群との間の差は全く認められず,120分群でレベリングオフの傾向にあった.
4.トレーニングによって,肝臓と筋のグリコーゲン貯蔵量は増加の傾向が認められたが,4群の間の差は有意なものではなかった.
本研究の結果から,持久トレーニングとしては,120分群に最も望ましい効果が認められており,必ずしもexhaustiveなトレーニングが最適なものではないと考えられた.
「デサントスポーツ科学」第5巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
持久的走トレーニングの量的限界および最適トレーニング量に対して,基礎的資料を得る目的で本研究を行った.Wistar系雄ラット32匹を用い,コントロール群,60分走トレーニング群,120分走トレーニング群,Exhaustive走トレーニング群の4群に分けた.ラットは,8週間にわたってトレーニングを行った後,パフォーマンステスト,各組織重量および組織化学的,生化学的分析などにより,以下に示す結果を得た.
1.走行パフォーマンステストの結果,120分群が最も好成績を収めた.
2.体重あたりの心臓重量を心筋肥大の指標として用いた時,いずれの群においてもトレーニングによって肥大が認められたが,その肥大率は120分群でレベリングオフする傾向が認められた.
3.トレーニング群におけるCapillary supply(CD,CFratio,CC,筋線維横断面積/CC)はコントロール群よりも有意に高く,トレーニングによる毛細血管の新生が示唆された.しかし,いずれの項目においても,120分群とEXhaustive走群との間の差は全く認められず,120分群でレベリングオフの傾向にあった.
4.トレーニングによって,肝臓と筋のグリコーゲン貯蔵量は増加の傾向が認められたが,4群の間の差は有意なものではなかった.
本研究の結果から,持久トレーニングとしては,120分群に最も望ましい効果が認められており,必ずしもexhaustiveなトレーニングが最適なものではないと考えられた.
「デサントスポーツ科学」第5巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 勝田茂, 金尾洋治, 満園良一 |
---|---|
大学・機関名 | 筑波大学 |
キーワード