信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 落雷による死傷と屋外スポーツにおける安全対策の研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.9 Vol.9

 要旨

 模擬実験と落雷事故調査によって,人体への落雷の特性とその殺傷効果を研究した.人体は落雷に対しては300Ωの導体として作用し,極めて有効な落雷の標的であることが判明した.人体が落雷を受けると,雷電流は,体内を流れる伝導電流と体表のいろいろな部位で発生する沿面放電の電流との二通りの流れ方となる.沿面放電電流は浅い皮膚の火傷をおこすだけであるが,体内電流は死亡の原因となる.人体が樹木,ポール等の高い物体の近傍に居ると,これらに落雷がおきたとき,雷電流の主流が人体に流入し死亡事故をおこす.身体から金属を取り外しても,絶縁性のコートや靴を着用しても,落雷を受ける確率は減少しない.
 雷雨が予想されるとき,屋外の平坦地や,高い物体の近傍にいること,また同じ条件のテント内にいることは極めて危険であるから,避けなければならない.

「デサントスポーツ科学」第9巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 北川信一郎
大学・機関名 東京家政大学

キーワード

落雷伝導電流沿面放電