信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 断層心エコー法による若年者における僧帽弁逸脱症の疫学的研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.9 Vol.9

 要旨

 断層心エコー法により大阪大学新入学生(18〜22歳)2016名を対象に僧帽弁逸脱症(MVP)の検診を行い,25.2%(男子24.4%,女子31.9%)にMVPを認めた.最もMVPの程度の強いGradeⅢの例25例(1.2%)において,成因およびリスクに関する検討を行なった.
 GradeⅢ群には,漏斗胸の1例が含まれ,また胸郭前後径/横径比は61%で正常群の70%より有意に低く胸郭の偏平化を認めた,立位負荷時の心拍,血中ノルエピネフリン濃度変化より,vagotonyあるいはhyperadrenergic stateを示す例が5例存在した.かかる胸郭形成異常あるいは自律神経反応異常のMVPの成因としての意義が注目された.上室性頻拍発作例が認められ,このうち1例は失神発作の既往があった.僧帽弁逆流の合併は心Doppler法にて4例認めたが,程度は軽く心不全症状を示さなかった.不整脈,心不全などのリスクは,今後長期経過観察による検討が必要と思われた.

「デサントスポーツ科学」第9巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 石田良雄, 安東明夫, 大河内寿一, 白石純三, 藤井謙司, 尾崎仁, 松山泰三, 西岡浩嗣, 吉田豊, 上松正朗, 佐藤秀幸, 田内潤, 北畠顕, 鎌田武信
大学・機関名 大阪大学

キーワード

断層心エコー法僧帽弁逸脱症(MVP)