信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 日常の運動実施の有無が遺伝的高血圧素因を有する中高年者の運動時心血管応答および血圧調節関連物質に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.9 Vol.9

 緒言

 本態性高血圧は,その成因に関して十分に明らかにされていないが遺伝的素因に環境因子が付加されて発症するとされている.したがってその対策は第2次予防として早期に発見し,その健康管理を適切に行い合併症を予防することに主眼がおかれている.
 最近の報告によると,安静時血圧は有酸素的パワーの指標である最大酸素摂取量(VO₂max)と有意な負の相関があること1,2),定期的な有酸素運動は降圧促進作用を有すること3~7),さらに運動負荷テストでの高い血圧応答は将来の高血圧発症の予測にとって有効な指標となりうること3~7)などが明らかになりつつある.
 つまり,これらの成績は高血圧発症のプロセスから考えて,遺伝的高血圧素因を有する人は,そうでない人に比べ日常の身体活動水準を高めておく必要性を示唆している.しかしながら,この点に関する実験的研究は実施されていないのが現状である.そこでわれわれは,遺伝的高血圧素因の運動時心血管応答や2,3の血圧調節関連物質に及ぼす日常の身体活動水準の違いを明らかにすることを目的として本研究を行った.

「デサントスポーツ科学」第9巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 熊谷秋三, 江村菜穂子, 近藤芳昭, 西住昌裕
大学・機関名 佐賀医科大学

キーワード

本態性高血圧日常の運動中高年者心血管応答血圧調節関連物質尿中食塩濃度