信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF スポーツ用サポーターの衝撃緩和作用と動作抵抗性に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.12 Vol.12

 本報では,ニット製のひざ用サポーターを着用した時の衝撃吸収作用と圧迫性および動作時の抵抗性について調べた.実験には,人体の周径寸法より10%と30%縮小した2種のサポーターを使用した.
 (1)衝撃試験により衝撃量に相当すると考えられる加速度と時間の関係をとらえ,記録した.衝撃量の緩和は,布の重ね枚数と共に高まった.
 (2)10%縮小サポーター着用時にひざ頭に受ける衣服圧は,立位時に1〜23gf/cm²,ひざ屈曲時には4〜97gf/cm²の値であった.30%縮小サポーター着用時の衣服圧は,立位時に9〜85gf/cm²,ひざ屈曲時には25〜213gf/cm²であった.
 (3)同一動作を保つと,布の緩和作用の影響を受けて,衣服圧は時間と共に減少した.
 (4)立位からひざ屈曲姿勢に要する衣服の抵抗を仕事量で評価した.即ち,仕事量を,布の変形に要する仕事Wtと皮膚とサポーターの滑りに要する仕事Wfでとらえた.30%縮小サポーター着用時に要する仕事量Wtは,10%縮小サポーターの仕事量の約2倍に及んだが,これは布の張力の大きさによると考えられる.30%縮小サポーターではずれがほとんど生じないため,30%縮小サポーターの仕事量Wfは,10%縮小サポーターの仕事量の約4倍大きかった.

「デサントスポーツ科学」第12巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 川端博子*1, 山形昭衛*1, 酒井豊子*2, 石川欣造*3
大学・機関名 *1 東京都立立川短期大学, *2 放送大学, *3 文化女子大学

キーワード

ひざ用サポーター衝撃吸収作用圧迫性動作時の抵抗性